前回のブログをアップした晩、小泉農相が随意契約の概要を発表しました。
あれからちょうど1週間、良くも悪くも大きく動いて備蓄米が店頭およびネットで販売され即完売とは需要の大きさを感じています。
驚いたのは卸を外して大手小売業者と真っ先に契約したことです。初動でいかに早く広く販売できるかを優先させたためと思われますが、販売できたのは精米工場を持っているところか、見つけられたところのみ。当店の取引先の卸さんに聞いたところ、たぶん要請がくるのではないかとのことでした。しかし、5時まで通常の取引用の精米をし、その後備蓄米の精米をするとなるとかなりの負担増、そして米袋が足りなくなることは明らかです。
備蓄米がどこかで目詰まりしているのだと言っていたのは政府だったのに、さらに目詰まりする原因を作ってしまいました。輸送のトラックも指示がびっちりで、どこかで崩れれば組み直すのにも時間がかかるとのことです。
中小の事業者には売らないのかと思ったら枠は作ったようですが、これも精米所と米袋の問題が起きそうです。町のお米屋さんに精米機はありますが、10t車で車上渡しが基本ではいったいどれだけの米屋さんが申し込めたものか、端境期にむけて少しでも玄米を調達したかったところは歯がゆい思いで見ていたことでしょう。通常は卸から20袋、30袋と必要な分だけ買い入れるからです。
仲卸がなければ米は安く手に入るんだとの意見を見かけることがありますが、米は生産者、集荷業者、仲卸、小売りどれか一つを無くしても安定供給できないんだということがいずれわかると思います。
備蓄米は災害時や大凶作時のためのもの、今回の放出で在庫は30万トンまで減り、これは消費量の約半月分にしかなりません。国が市場経済に任せたことでコントロールできなくなった米の生産量、流通量をこれからどう把握していくのか、これから米に対しどういう政策をとるのか、価格だけが話題になっていますが注視していかねばならないと思っています。