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備蓄米について思うこと

福島市でも一部の店舗に備蓄米が並び始めました。

小売価格はオープンなためまちまちですが、おおむね3500~3600円と10%以上値段は下がったようです。そんな中農林水産大臣の交代があり、スピード重視ということで急きょ4回目の一般競争入札を中止し、随意契約とする話が持ち上がりました。4回目の入札を見越して米の受注を受け付けていた業者さんは戸惑ったことでしょう。

備蓄米を放出すると決まった時に、これで米の値段は下がるだろうかと疑問を持っていました。一般競争入札では一番高い値段を提示したところが落札するからで、ましてや1年以内に返還(今は5年以内に変更)との条件付きでは集荷能力のあるところでないとおいそれと参加はできないからです。

なおかつ、返還時の値段をどう決めるのか定かになっていないため、入札に二の足を踏んだ業者さんもいたと聞いています。結果、全農さんが備蓄米のほとんどを落札しましたが、末端の小売にまで行き渡らないため、随意契約の話が出てきたというわけです。

 

この随意契約、一般競争入札と何が違うかというと、政府が売渡先や数量、金額に関与できるという点です。手続きも少ないため販売までの時間が短くなるという利点もあります。

販売金額を低く設定すれば米の店頭価格も低くなるわけで、消費者にとっては朗報でしょう。

しかしながら、課題もあります。コメ市場には関与しないと言ってきた政府が売渡先をどうやって決めるのか、過程の透明性や公平性を確保する必要があります。

個人的には、金額は政府が決めても誰が買うのかは公平に抽選にすればいいのではと思っていますがどうでしょうか。

 

随意契約にすれば卸でも小売りでも契約が可能かというと、そうでもない事情もあります。

まず全国に散らばる保管倉庫から持ち出すことになるため、その距離と輸送、保管するための低温倉庫が必要で、玄米を精米して小分けにするとなるとさらに契約できるところは限られてきます。

集荷業者以外と契約したら備蓄米の返還はどうするのかも気になるところです。

 

小泉農相は「備蓄米は2000円台で」と仰っていましたが、そんなことを言ってしまって良かったのか。購入希望者が殺到して(古古米だからわかりませんが)あっという間に売り切れ「なんだよ、買えなかったじゃないか」と不満が噴出しないことを願っています。