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令和5年産の米作りを振り返って

 

今まで何度か今年の米作りを振り返ってブログを書かねばと思っていましたがなかなか頭の中がまとまらずきてしまいましたので、何回かに分けて短めに思ったことを書き留めておこうと思います。

 

今年もそうですが、私の住む地域はまとまった雨が降っておりません。寒くなっても暖かい日が続くので過ごしやすいと言えば聞こえはいいのですが、近くを流れる水原川、流れ着く阿武隈川共に水量がかなり減っています。そうかと思うと急に寒波が入ってきて気温はぐっと下がるのですが、ここは雪が降らず、降る所には降る状況が続いています。昨年は地球の平均気温が最高に上がった年でもあるそうですが、福島も35℃以上の猛暑日がひと月以上も続き様々な作物に影響を与えました。

当店に関することでいえば、やはり米の品質低下と収量減です。夜間の気温も下がらないことで心白の米が増え、2等米が増えました。国の作況調査では平年並みと指数が出ていますが、現場の感覚とはかなり離れており、今年は中米やくず米がほとんど出てきませんでした。実が入らずほとんどが吹き飛ばされた結果です。

 

暑さと同様に悩ませたのが雨不足です。

この地域はゴールデンウィークから田植えを始めるのですが、水が無く代かきもままならない状態が続きました。ゴールデンウィーク最終日の5月5日、6日にまとまった雨が降ったことでなんとか田植えにこぎつきましたが、それ以降は降っていません。

ここから見える吾妻山には春になると種まきを知らせる「種まきうさぎ」が現れるのですが、昨年はその時期にはとうにその姿を消していました。そして、2024年、今年は今からその姿が現れそうになっては消えを繰り返しています。

水稲で何が困ると言えば、農家さんは口をそろえて「除草」ということと思います。

現在のある除草剤は水深を3cmから5cmに状態を保つことで効果を発揮しますが、昨年は水不足なうえ暑さで蒸発しあっという間に草が生えてきました。中期剤、後期剤を使う方も多い年でした。

上手く除草剤を撒けなかった田んぼは反収を相当減らしています。

反収に関していえば、落としたところと平年並みを維持したところがありましたので、その考察は次回にします。