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立秋を過ぎて

 

監査があったりお盆があったりでブログはお知らせのみとなっていましたが、止まっている間も田んぼには出かけ様子を見ていました。

現在のコシヒカリの田んぼはこんな感じです。出穂が早いこがねもちや天のつぶはだいぶ穂が曲がってきています。

まっすぐ天を指すように伸びる葉、これが止め葉と呼ばれるものでコシヒカリで14枚目の葉っぱとなります。この葉が出てきて1週間後に出穂となる目安となるものです。感覚的なものなのかもしれませんが、今年はとれるぞ!と感じる年の止め葉は揃って勢いがある気がします。

 

 

では今年はどうなのかというと、見ての通り出穂が揃っていません。すべての田がそういうわけではありませんが、以前からお伝えしていた通り、今年は背丈が短めで茎数も十分にはとれていません。有効分けつ(穂がなる茎数)が少ないと言った方がいいかもしれません。

背丈が短いということは長い穂はできにくいということになり、収量を上げるのは難しくなります。

この感じから今年の全体的な収量は減るのではないかと推測しています。

もう一点心配しているのはカメムシの多発です。梅雨が短期間で終わり高温が続いたことで例年以上に多発し病害虫情報が全国的に発表されています。福島県も少し遅れての発表となりました。

 

カメムシの被害にあわないために圃場に草が生えないようにすること、そして畦畔の除草は出穂の2週間前には終わらせることを勧めていましたが、今までそれほど大きな被害がなかった圃場はカメムシがいるという実感がないようで「うちにはいない」と大半の方は言います。

確かに山手ではない限り殺虫剤をふることはなかったと思うのですが、今年は様子が違います。

カメムシというと一般家屋にいる角ばったものを想像すると思うのですが、田んぼにいるのは「アカスジカスミカメ」や「アカヒゲホソミドリカスミカメ」というちょっと細身のすぐにはカメムシとは思えないものが大半です。

今年は雨が多いこともあって畦畔の草も伸びるのが早いのですが、モミが固くなるまで除草は厳禁です。

カメムシは等級を落とす最大の原因ですが、有機栽培や特別栽培は殺虫剤をふることができず、ひたすら我慢です。

 

もうひとつ、出穂後に心配していたものに高温障害があります。出穂後5日から15日間が高温障害が出やすく、昼は35℃、夜間は25℃以上でかけ流し灌水が必要になるのですが、福島の10日間予報を見ると意外なことにそこまで暑い日がなく逆に秋の陽気に変わってきています。このまま素直に秋になっていくとは考えにくいのですが、高温障害の心配は遠のいた気がします。

逆に今まで高温が続いたことにより、肥料切れを起こすような田は光合成が出来なくなり白未熟粒が多くなるかもしれません。

 

今から10日ほど前の花盛りを迎えた稲。

今年は各地で大雨による被害が出ています。「半年手間ひまをかけて育ててきたのに、、、」との声を聞くたびに切なくなります。守って大事に育ててあとひと月半、なんとか無事に収穫の時を迎えられるよう祈るのみです。