· 

来春の肥料高騰に対する動向について

 

現在、来春の肥料の注文取りが始まっています。高くなるのは知っているとおっしゃる方はいると思いますが、高いだけではなく、物がないのです。日本はありとあらゆるものを輸入に頼っているのは周知の事実で、肥料だとて例外ではありません。(尿素は95%、リン酸・カリの原料は100%輸入)

コロナの影響により物流が滞っていることに加え、資源国である海外勢の輸出規制があり十分な供給につなげることができないでいます。

 

農家さんの動向を見てみると、まず例年以上に米ぬかを集めている方が多いです。ぼかし肥料を作って土づくりから始めるのはいいことなのですが、熱をもったりガス害が出るので決して生の米ぬかを混ぜ込んではいけません。需要が旺盛で今年は米ぬかが足りなくなってこちらも値上げになりました。

 

次に使うことが多くなりそうなのが鶏ふんです。言わずと知れた安価な優良資材です。

以前にも書きましたが、窒素成分は即効性があり、約1ヶ月で効果が切れます。リン酸、カリも植物に吸収されやすい形で入っているため、化学肥料並みの効果が期待できます。

注意しなければならない点は10%から15%含まれるカルシウムではないかと思います。土壌のpH調整で苦土石灰などの資材を使った上に肥料として鶏ふんを使用するとカルシウム過多になる可能性があるのです。

 

日本の土壌は弱酸性で育つ作物も弱酸性を好むものが多いのですが、これがアルカリに傾きすぎるとマグネシウムなどの微量要素を吸収しづらくなったりしますので連用には注意が必要です。アルカリに傾きすぎた土壌を元に戻すのはさらに大変なので、そうなるまえにお薦めしたいのが土壌分析です。

土壌分析は、思うような作物が出来なくなって初めてされる方が多いのですが、今年のように肥料が高騰している年は現在の土壌の状態を知ることが必要不可欠なのではないでしょうか?

結果必要最低限の肥料で間に合うかもしれませんし、土壌の健康診断と考えれば後々に生きてくると思います。

 

当店では作物に応じて土壌分析を行っておりますので、一度ご相談ください。