今日も朝から強い風の吹く福島市です。
今年は本当に風の強い日が多いですね。どうせなら霜が降りそうな時に吹いてくれれば被害が出ないのに・・・
そんな時ばかり風は止む。
お客様と田畑の作物の出来についてお話しすることがあるのですが、「苗の芽出しが悪いし揃わない」「絹さややスナックエンドウも背丈は伸びないし花の数も少なくて不作だね。」「梅もシソも霜にやられたよ。」などの声がたくさん聞こえてきました。
皆さん感じられているのだと思いますが、年々桜の咲く時期が早くなっている、そして今度は梅雨入りが例年より3週間ほど早い。いったい季節はどうなってしまうんだろう、、、このまま早まっていくのか?
いったいどう育てていけばいいんだろう?
考えても埒が明かないので、岩井さんの苗を見に行ってみました。
岩井さんはハウス脇の畑で作業中でした。
声をかけると苗の状態を教えてくれました。
「今、苗は4葉め。苗の高さが揃わないのは肥料の量が違うからだろう。今日また水を深く張ったんだ。」
確かに今年はかけ土にもみ殻燻炭を混ぜたので、肥料の入り方にバラつきが出たのだろうと思いました。
苗の段階で葉緑素計を使ったことはないのですが測ってみたら23~25ほどでした。
岩井さんは苗を1本抜いて説明してくれました。
「1葉めの葉鞘までをあまり伸ばさないように作るんだ。だいたい3㎝。全体で5㎝。今4葉目で長さはだいたい18㎝くらいだろう。」とその場で定規で測ったらドンピシャでした。(すごっ!)
苗作りは苗半生と言われるほど重要で作り方も様々です。
ならばと、ほかの生産者さんの苗も集めてみました。
まずは、岩井さん。
お手本のような苗です。一般的に3.5葉あたりで田植えをする方が多い中で4葉はかなりしっかりした苗を植えることになります。その理由を岩井さんは草に負けないためと言います。田植えしてすぐ田車をかけたりするので、水に負けない丈夫な苗が必要になります。その分本田での生育期間は短くなります。
次に、いろいろな育苗を試していた半沢さんの苗です。
これは化学肥料の培土で育て、畑でシートを使いプール育苗で仕上げました。
播種の時期から田植えまでの期間は岩井さんとあまり変わりません。2葉めが赤いのは霜で寒さにあたったためです。シートをかぶせてもいかに寒かったかわかります。丈も同じ4葉でもそれほど伸びていません。
そして、これが岩井さんと同じく有機栽培をされている大竹さんの苗です。
さし苗で余ったところから頂いてきたので小さかったのですが、明らかに違うのは1葉めの葉鞘までの長さです。その原因としては厚蒔きと温度管理です。お仕事の都合なのですが、種まきも田植えも早い分本田での生育期間は長くなります。
こうやって見てみると、育て方も様々で実に面白いです。
今週はついに田植えとなります。はたして、梅雨入り後の田植えとなるのか。
どんな天気が待っていようとも、粛々とやるべきことをやって乗り切っていこうと思います。