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みどりの食料システム戦略(仮称)

今日の有機栽培田の様子

しとしと雨が降って耕した田んぼに水がしみていきます。

 

先日、農水省は国内耕作面積のうち25%となる100万ha分について有機農業を推進する計画を発表しました。

このあとSNS上では「ちゃんと見合った金額で買い取ってもらえないなら無理」とか「堆肥を入れたくたって労働力がない」などの意見が見られました。

有機農業を推進するという点だけ切り取っても全容が見えないと思い、農水省のホームページ(ほとんど見たことがなかったのですが)を開いてみました。

 

今回の発表は「みどりの食料システム戦略」(仮称)の一部です。

それによると2050年までにCO2ゼロミッション化の実現、輸入肥料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量を30%低減などが計画されています。

近年の温暖化やそれに伴う大規模な自然災害、生産者の減少や高齢化、コロナを契機としたサプライチェーンの混乱などが今後の課題とされ、農林水産業や地域の将来も見据えた持続可能な食料供給システムの構築が急務と書かれています。

自然災害や生産者の高齢化はすでに認知されている課題だと思いましたが、コロナを契機としたサプライチェーンの混乱を入れたことは新たな喫緊の課題との認識を持ちました。コロナ禍で穀物輸出を停止した国は19か国にのぼり、肥料の原料はあらかた輸入に頼る日本。「食料は最大の安全保障だ」といった肥料卸さんの言葉が思い出されます。

 

現在「みどりの食料システム戦略」は調達、生産(当店が大きくかかわる点はここ)、流通・加工、消費の方向から検討されています。まだ中間とりまとめの段階ですが、どのような方向に動くのか注視していきたいと思います。

当店が有機栽培・特別栽培を始めたころとは別の理由で推進の方向へ進む有機農業。

友人が「これからは自分で食料を作らなくちゃいけなくなるかもしれないから」と家庭菜園を始めたと聞き、

少なからず危機感を持っているのだなと感じました。

30年後の農業の姿はどうなっているのか、楽しみでもあり不安でもあります。