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等級検査って何?③

 

等級検査は検査員が見て判定するとお伝えしましたが、秘密兵器(でもないですが)があります。

それが、この『穀粒判別機』です。

この機械に玄米を入れると即座にどんな米がどんな割合で入っているかを測定してくれます。

整粒歩合が70%以上のものが1等になるのですが、この機械にかければ一発です。しかし、それでも穀粒判別機は検査員の補佐をする役目の位置付けなのは整粒歩合以外に見るべき点があるからです。

 

その最たるものが「着色粒」です。その名の通り本来なら透き通っているはずの米粒に黒や茶色の色がついています。原因として一番に多いのはカメムシに刺されたことでしょう。籾がまだ柔らかいうちに刺して、そのあとが色づきます。この着色粒は1000粒の中に1粒、つまり0.1%までが1等、2粒あれば2等になってしまうのです。

当店が口うるさく畦畔の除草をいうのはこのためです。

農家の方にとって1等か2等かは収入に直結するので慎重に判定しなければなりません。

 

上記の写真の値で2番目に多い値なのが「未熟粒」です。22%も入っていて大丈夫なのかと心配になられる方もいるでしょう。この未熟粒は昨今の異常気象を表すものでもあり、そして等級を落とす原因にもなるものです。

昨年の新潟県の米の1等米比率がとても悪かったのは、この未熟粒が多かったことが原因です。

この未熟粒ができる原因となるのが高温や日照不足で、米がデンプンを十分に蓄えられないうちに登熟が終わりお米に空気の隙間ができて光の反射で白く見えます。 お米の袋を開けた時どことなく白っぽいお米があるのを見たことがあるのではないでしょうか?

今年当店で行った検査で2等になったものは、ほぼこれが原因でした。

 

 

 

これがその未熟粒を集めたものです。白くてまるでもち米のようですね。精米するときにある程度はじかれるのですが、当店の会長が何を思ったのかこの未熟粒だけを炊いたらどうだろうか?と言い出しました。

 

その結果は、、、「なんだ、普通に食べられるじゃないか」

ですので、安心してお召し上がりください。願わくば来年は高温や長雨に悩まされないことを願っています。