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秋上げ終了ー有機栽培追っかけ日記㉒

 

 

さる11月19日、すべてのライスセンター業務が終わり秋上げが行われました。

今年は田んぼが軟らかい上に稲が倒れたことで作業をゆっくりやらざるをえなくなり、またちょくちょく降る

雨に中断することも多い年でした。

 

岩井さんの田んぼも10月10日あたりの稲刈りを予定していましたが雨により延期。しかし、田んぼは乾く気配がなく強行突破で稲刈りをやったところもありました。定点観測している上の田んぼもコンバインが入ってみたものの水口の軟らかさは予想以上。しかし無理やり刈ってしまいました。コンバインのつけた轍は予想以上に大きく、岩井さんもぼやくことしきり。岩井さんの他の田はもっと乾いてからやることになりました。

 

ライスセンターに運ばれた籾は大きなタンクに入れられ、出荷基準を満たす水分量まで機械で乾燥します。

それから、籾ずりとなりグレーダーと呼ばれるふるいにかけられ、出荷米とくず米とに分けられます。

当店の有機栽培と特別栽培は網目が通常より大きめの1.9mmを使うため、ちゃんと実入りしなければくず米となってはじかれてしまいます。網に残った玄米を袋に詰めて完了です。

 

今年の岩井さんの反収はどうだったかというと、例年より1俵多い6俵でした。

お米を作られている方ならわかると思いますが、有機栽培は本当にとれません。とれないというよりは、食味を良くするためとらないようにしていると言った方が正解かもしれません。それでも、今年1俵多くとれたのは

例年と違う施肥にしたからです。いつもなら春先に一度に入れる肥料を今年は分けて入れました。肥料の効く時期がいつもと違ったわけです。そしてこれが2等米になる原因となったのではないかと思っています。

 

今年、岩井さんの有機栽培米は等級検査で2等米になったものがありました。これは岩井さんにしては本当に珍しいことで、理由は心白でした。暑さでやられたのか?いや、岩井さんはしっかり水の管理はやっていたはず、、、

検査官である社長に理由を聞くと、モミ数を適切にする減数分裂期に肥料があって十分な減数ができなかったのではないか、だがモミ数が多かったことで収量は上がったのだろうということでした。この結果を踏まえると

来年どんな気候になるかわかりませんが、肥料のやる時期の見直しは必須かなと思います。

 

今年1年岩井さんの稲作りを追いかけ、たくさんのことを学ばせていただきました。

有機栽培にかける思い、その大変さ、しかしそれ以上にいい米を作る情熱にあふれていました。

毎年いろんなことにチャレンジする岩井さんですので、引き続き来年も追いかけていきたいと思います。

そして、その技術を後世に伝えていけたらと願っています。