久しぶりに晴れた日曜日、岩井さんは畦畔の草刈りをやっていました。
畦畔の草刈りは美化の面もありますが、やはり最大の効果は畦畔にいるカメムシの住処をなくすことです。年々カメムシの被害は増えており、玄米の等級が落ちる原因はカメムシが最も多いと言っても過言ではありません。
今年は6月の暑さで出穂が早まるかと思いましたが、7月の長雨と低温で平年並みになりそうな感じなので、遅くとも出穂の2週間前までには草刈りは終えたいところです。また、来月あたまには毎年行われる有機認証の監査があるため尚更力が入ります。
今年は稲が出来すぎていて色が濃く茎数が立ちすぎているため、イモチ病や倒伏の危険があると何度も伝えてきましたが、今になってだいぶ色も褪めイモチ病のリスクは減ってきました。箱処理剤は7月20日過ぎくらいまでは効いているはずなので、あとは梅雨があけて暑くなれば心配はないかと思われます。ただし、今までイモチ病にかかったことのある田は注意が必要です。
現在の有機栽培の田んぼの様子はこんな感じです。
雨も上がったため水も引けて稲全体の形が見えてきました。
現在11葉めあたりで、ここ数日続いた低温で葉が1枚成長するのに1週間かかっています。
コシヒカリは14枚目が止め葉でそれから穂が出てくるので、穂が出てくるまで約3週間かかる計算になります。
岩井さんも8月10日ごろと予想しているようです。
さて、上の写真で稲の色が濃い所があるのがわかるでしょうか?ここは畦畔からも水口からも近いので肥料が効きやすく、まだだいぶ残っている状態です。SPADで測ると濃い所で40以上あり、薄い所で35前後です。
出穂25日前くらいが追肥適期ですが、追肥するのにいい状態になってきました。
穂肥はモミの退化を防ぎ収量を上げるために必要ですが、コシヒカリは倒れやすい品種のため節間伸長期、補肥期をうまく乗り切らなければならず、そのためソフトシリカをふったりSPADで肥料の効きを測ったりしているのです。
有効分けつも決まり、これから体内にデンプンを蓄積していきます。茎数が多く茎が細い稲は肥料に敏感ですぐに伸びて倒れやすくなるので注意が必要です。
今日は福島大学の先生が、学生の有機栽培についてききたいことをまとめて質問にくるそうです。
さて、どんなことを聞きたいのか興味深々です。