田んぼは現在中干し中、、、のはずがこの雨でまったく干せず軟らかいままです。
線状降水帯と呼ばれる積乱雲の同じ場所での発生が大雨となり、九州などに豪雨災害を引き起こしています。
今や経験したことのない大雨は、毎年どこかで起こり深い爪痕を残していくのかもしれません。
ここ福島は(というより松川町は)たまにものすごい雷雨はあるものの短時間で止むので、これといった災害は起きていません。むしろ久しぶりの梅雨らしいムシムシした天気に「また病気がでてくるな」と田畑の消毒の準備に余念がありません。
ツイッターやブログで何度か今年の稲の状況をお伝えしていますが、今年は稲が出来すぎて茎数が多くまた色も濃いことから、イモチ病や倒伏の懸念がありその対策に追われていました。キュウリなども曲がったり病気が出たりと、雨が止むのを待って消毒しています。
そんな中岩井さんの田んぼはほぼ例年通りでしょうか。
中干しに入ると田んぼに入ることは少なくなります。今年の反省点は膝を痛めたことで、田車を適期にかけることができなかった点だと言います。確かに取りきれていないホタルイやコナギがあちこちに見られますが、何百坪の田んぼのごく一部です。
きれいな田は見ていても気持ちがいいので、畦畔などもきれいに草刈りしますし、手をかけて育てられた稲だというのがよくわかります。
1枚目と3枚目が昨日の稲、真ん中が先週の稲です。
だいぶ畝間が見えなくなってきたのがわかります。一株の茎は太く水が落ちるとわかりますが、根元まで光が入り全身で光合成をする開張型の稲になっています。SPADで計ったら葉緑素の値が小さくなっていました。
追肥をふっていますがそれが値に出るにはもう少しかかりそうです。
現在倒伏のカギを握る10葉めが展開中ですが、茎は太く固く倒れる心配はありません。
今年は施肥の仕方を変えたので、その結果が食味や収量にどう出るか楽しみでもあります。
話は変わりますが、お隣二本松市に昔ながらの作り方で稲を作る方がいます。
通常この辺だと4月あたまに種を蒔き、5月初旬から中旬に田植えをするのですが、この方は6月末に田植えが終わったばかり。
その田んぼがこれです。
毎年毎年いつまでも耕されないので(今年は作らないのだろうか?)と思っていると、6月中旬あたりから耕し始め、末には田植え。
一度お会いした時に「どうしてこんなに遅く田植えするんですか?」と聞いてみたら、「昔はみんなこだもんだったんだぞい(このくらいに植えていた)」とのこと。逆に芽だし機に入れて発芽させて早く植えていいことあるのか?と聞かれました。
確かに田植えが50日遅くても稲刈りはそこまで遅くならないし、自然にまかせて育っていくので寒さが早く来ない限りは普通に収穫できます。何より味が違うとお客さんに言われるそうで、哲学があるんですね。
当店にもその方の作った『ひとめぼれ』が出てくるので、その時はご紹介します。