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有機栽培追っかけ日記③

 

 

農家は種を蒔いてからが勝負、育苗の時が一番神経を使います。

 

岩井さんは4月11日に播種。この辺では11日から20日あたりに種を蒔く人が多いでしょうか。

 

ひと箱あたり60gから80gの薄蒔きです。一般的な育苗では100gくらい蒔くのでかなり薄く

 

蒔くのがわかります。

 

お邪魔した19日は苗は一葉めを展開。保温のためにかけるシートを一枚にしてこまめに温度調節します。

 

今年は暖冬だったものの、今頃になって最低気温が平年より低く霜注意報が出ることもしばしば。

 

夜は5℃以下にしないよう温度計を4か所においてハウスの温度を管理しています。

 

 

 

 

 

4月20日に苗を丈夫にするためローラーをかけました。まだ苗も小さいのでそれほどダメージはありません。

 

21日に行くと明らかに成長しているのがわかります。

 

 

 

 

さて、ここでうちでやっている有機栽培及び特別栽培(育苗方法が一緒なのでまとめます)と一般栽培との

 

育苗の違いがあります。

 

それは、種まきに使われる培土の違いです。

 

一般的な栽培の場合、育苗培土は化学肥料も入っていてPH調整もされていますが、有機栽培に使われる

 

培土は天然成分由来のもの、そしてそれは製造工程も審査されて証明書がなければ使うことはできません。

 

何より難しいのは肥料成分が有機質のため、分解されて初めて苗が成長するために必要な肥料となることです。

 

分解に必要な温度、水分等に最新の注意を払わなければ失敗しかねません。

 

また、一般栽培に比べると苗の色も薄く、育ちもゆっくりなため栽培する人には我慢が必要です。

 

今年はこの大事な時期に低温に見舞われ、一般栽培でもピシウム菌やフザリウム菌といった病気が多く

 

発生しています。(病気の原因には資材からくるものなど他にも要因はあります)

 

そのような時でも、手をかけ暇をかけ順調に苗を仕上げてくる農家の方には敬意を払わずにはいられません。