· 

平成30年の米作りを振り返って

暑すぎて米が獲れない・・・

昨年の夏は未曽有の猛暑と干ばつで稲作は大きな打撃を受けました。

これまでは低温、日照不足で凶作だったことはありますが、天候が良すぎて収量が落ちることは考えられませんでした。

 

水の大切さを再認識

米はその85%はでん粉(炭水化物)からできています。

太陽の光、空気中の炭酸ガス、根から吸い上げた水分で稲の葉身で炭素同化作用を行いでん粉を作り穂に移行してお米となります。

昨年は光、空気(炭酸ガス)はふんだんにありましたが、肝心の水が大きく不足してしまいました。

 

稲は葉身の体温が35℃を越すと極端に同化能力が落ちてきます

昨年は気温が35℃から40℃の日が連日続きました。

稲は自分の身を守るために葉の葉脈を通して水分をどんどん蒸発させ、葉身の体温を下げる働きをしています。人間が汗をかいて体温を下げているのと同じです。

肝心な時期に雨が降らず、川の水も枯れ充分な給水ができませんでした。

さらに、稲は子孫(種子)を残し穂の籾すべてが不稔となることを避けるため 他の籾を犠牲にして少ない養分を一部に集中して蓄積し子孫を守るという働きをします。

なんとか水をかけることができた田は平年作となりましたが、この水の確保は農家にとって大変な苦労が強いられた年でした。

しかし、幸いなことに収穫量は少なかったものの品質、食味の面では大変良い米が獲れました。

 

今、地球は温暖化が叫ばれ、全世界的に異常気象が頻繁に出現しています。

これからの農業はこれらの異常気象と闘いながら より英知を結集し生産を上げていかねばなりません。