平成30年の稲作の問題点は、
・高温登熟障害(くず米が多い)
・カメムシ類による着色粒(等級を下げる最大の要因)です。
年末の少雨、小雪から一転大雪になったところもあり、今年の気候も大きく変動する可能性があります。
気候の変動に強い稲を作るためには、地力の増強と施肥管理が対策のひとつとしてあげられます。
地力の維持のためまず考えられるのは稲わらの鋤き込みですが、時期によってはガスが発生し根を痛めることがありますので秋のうちに鋤き込む、または腐植化促進剤を使うのが有効です。
近年はケイカルやようりんを使用しないことにより、土壌中の微量要素が不足し施肥のバランスが崩れた状態になっています。特に多収品種は収量が高いため地力の消耗が激しく、前年と同条件でも減収になってしまう原因はここにあるのではないかと考えています。この先多収穫を維持するためには有機物や土壌改良資材の使用が不可欠です。
また「苗半生」と言われるように丈夫な根と葉を持った苗を育てることが重要となります。特にソフトシリカ(ケイサン)の補給は根張りを良くし 葉、茎の細胞を強化することで健苗の育成につながります。
幼穂形成期においてはソフトシリカを施肥することにより、登熟歩合の向上のみならず倒伏軽減や食味向上も期待できます。
天候不順下では地力、施肥、水の管理が登熟歩合を高めるカギとなることを意識してください。
カメムシ対策の基本は薬剤防除となります。
乳熟期に一回、その後追加防除をしますが、箱処理剤でカメムシに有効な薬剤を使うことで本田での防除を減らすことができます。
また見落とされがちですが、カメムシは水田のヒエやホタルイといった雑草を住みかとします。ここ数年の雑草発生の早まりや水不足による薬剤効果の低減で除草のうまくいかなかった田は特に気をつけ、除草を徹底することでカメムシによる被害を少なくしましょう。